「2026年4月1日」: 2025年10月の当社の取締役会で決議されたインド新会社の設立予定日である。
通常、インドでの会社設立のリードタイムは3~4ヶ月と言われているため、設立手続きを代行してくれるインドのコンサル会社からは「10月から準備を始めれば、4月1日と言わず、2月か3月には会社を設立できると思います」と言われていた。
そうはいっても、何が起こるかわからない国、インドなので、その言葉を鵜呑みにはせず、会社設立時期は4月上旬くらいだろうと想定し、その前提で、自分のインド赴任日について検討することにした。
インドに赴任するためには、会社が設立登記された後、就労ビザを取得する必要がある。ビザ取得手続きもリードタイムは、通常3~5日と言われているが、これも余裕をもって2週間と想定した。
会社設立が4月上旬、その後、就労ビザの取得で2週間と想定し、私は、インド赴任日を「5月1日」にすることにした。インドのコンサル会社にも「5月1日赴任」で問題無いか確認すると「全く問題無いと思いますよ」という返事をいただいた。そのため、その前提で、フライト予約や空港までの新幹線の手配、引っ越しの手配、自家用車の売却等、赴任する上で必要な諸々の準備を開始した。ところが・・・・、である。
現在、2026年4月24日の午前11時12分。現時点でまだ、会社設立登記は完了していなかった・・・・。
設立登記に必要な書類を全て揃えて、コンサル会社からインド企業省に申請できたのは、4月17日だったので、現時点でまだ設立登記が完了していないのはもっともな話である。
2025年10月から準備を始めたにもかかわらず、なぜ設立登記の申請が2026年4月中旬になってしまったのか・・・、その理由は実に単純明快だった。
そもそもインドの会社法では、会社を設立する場合、2名以上の株主が必要となる。そのため、今回、日本本社だけでなく、当社の台湾子会社も株主になってもらうことにした。つまり、日本本社及び台湾子会社の双方で、会社設立のための様々な書類を準備しなければならない。
日本側は、10月からコンサル会社の担当者と相談し、着々と書類の準備を進めていた。しかしこの間、台湾子会社でどの程度準備を進めているのか。私は知る由もなかった。
日本側で全ての書類が整ったのは2月中旬くらいだったため、2月末くらいに設立登記の申請をすれば、4月1日の登記完了はほぼほぼ確実かと思われた。しかし、その矢先、信じられないメールがccとして私のところに送られてきた。それは、コンサル会社の担当者から、台湾子会社の担当者へ、会社設立のための必要書類が記載された一覧表とともに、書類を準備して欲しいという旨の依頼メールだったのだ。
つまり、10月からの5ヶ月間、このコンサル会社は日本本社としかやり取りしていなかったのだ。日本で書類を全て揃えるのに5ヶ月近くを費やしたのに、今から台湾側で準備を始めたとして、すべての書類が揃うのは、一体いつになるのだろう。すぐにコンサル会社に状況を確認すると、「書類の準備は、1社1社順番に行うので、日本本社の書類が揃った今から、台湾側に書類を依頼することになってます」と落ち着き払っておっしゃられた。
私から「今から準備を始めて、4月1日設立に間に合うんですか?」と聞くと、「台湾の方には相当頑張ってもらわないといけませんね」と、どこか他人事のような返答が返ってきた。
ただ、台湾側で相当頑張ってもらい、なんとか4月上旬には書類を揃えることができた。その結果、4月17日には、無事、登記申請を終えることができたのだった。
しかしながら、当然、私の「5月1日赴任」の目は無くなったため、赴任のフライトや引っ越し手配等、関係各所に赴任日の変更を連絡しなければならない。ただ、まだ会社の設立登記が完了しておらず、就労ビザについては、手続きを始めてすらいないため、変更後の赴任日を決めることができない状況だった。
私の「5月1日赴任」というのは、私なりに様々なリスクを想定したうえで決めたつもりだったが、やはり想定の範囲を超えることが起きてしまった。いや、インドで起こるリスクを想定しようなどという考え自体が、間違っているのかもしれない。
私がインドに赴任できるのは、一体いつになるのだろう・・・・。