インド人の国民性として「家族の結びつきをなによりも大切にする」ということは、良く知られているが、とある本に、インド人は、会社を「単なる雇用関係の主体」としてだけではなく「人間関係の共同体」として捉えているため、「会社(ビジネス)の仲間を、家族(ファミリー)のように考える」ということが書いてあった。つまり、インド人は会社に対しても「家族的なつながり」を求めるらしい。
私もインド人スタッフ2名(NさんとJさん)と一緒に仕事を始めてそろそろ半年近くなるが、そう言われてみれば、いろいろと思い当たる節がある。私は妻帯同でインドに赴任しているのだが、Jさんから、ことあるごとに「奥さんも一緒に食事に行きましょう!」と言われることがある。その結果、Jさんおススメのインド料理レストランで、私と妻とJさん、Nさんの4人でのランチ会が何度も開催されている。しかも、9月のランチ会の際には、こんなことがあった・・・。
ランチ会の前日に、私がNさんとJさんに「実は、明日は私と妻の結婚記念日なんだよ」と何気なく伝えたところ、翌日のランチ会の場で、彼らから結婚記念日のお祝いとして、大きなホールケーキとインド独特の置物をプレゼントしてくれた。結婚記念日のことを伝えたのは前日の夕方だったので、それから、二人で相談し、ホールケーキとプレゼントを準備してくれたことになる。
そういえば、当日の朝、二人で会議室へ行き、何やらコソコソ話し合っていたのを目撃したが、今思えば、あれはおそらく結婚記念日のプレゼントを準備してくれていたのだろう。私の会社生活は今年で33年目になるが、職場で結婚記念日を祝ってくれたのは、(当然かもしれないが)これが初めてのことだったので、涙が出るほど感激した。しかもそれが、出会ってまだ数ヶ月のインド人なんて・・・。
また、先日は、Nさんから「どこかの週末に、ジャイプールに行きませんか?私が案内してあげますよ。もちろん、奥様もご一緒に」と言われた。詳しく話を聞くと、彼がレンタカー(運転手付き)とホテルを手配してくれて、私と妻とNさんの3人で1泊2日のジャイプール旅行を計画してくれるらしい。Nさんも奥さんやお子さんはいるのだが、この「ジャイプール旅行」には参加せず、私たち夫婦の添乗員としてひとりで同行してくれるようだ。おまけに、当日のタイムテーブルや主な見どころをまとめた、いわゆる「旅のしおり」のようなものまで作成してくれた。
ここまでしてくれたので、お礼に今度は、二人を私のマンションに招待し、妻の手料理でもご馳走してあげよう。
まずは、妻に、Nさんは「甘口カレーが大好き」で、Jさんは「チャイが飲めない」ということを伝えなければならないが・・・。